交通事故施術

普段から気をつけて過ごしていても、交通事故に巻き込まれてしまう可能性があります。

 

●交通事故の種類

交通事故は、事故が起きた状況によって次のような種類に分けられます。

・正面衝突

対向車が突っ込んできて起こる事故です。
相手の居眠り運転や脇見運転、雨や雪道でのスリップなどが原因として考えられます。

・歩行者横断中

歩行者が道路を横断しているときに車とぶつかってしまう事故です。
車を運転している方の確認不足や、歩行者の信号無視などがきっかけとなります。

・出会い頭衝突

違う方向からやってきた車が衝突する事故です。
安全確認不足や標識の見落とし、操作ミスなどによって発生します。

・右折・左折時衝突

とくに、交差点での右折時に対向車を見落として事故が起こるケースが多いです。
また、左折時衝突は、後方のバイク・原付が死角に入っており、見落としてしまうことがおもな原因です。

・追突事故

脇見・よそ見運転、居眠り運転などによって、後方車両が前方車両に追突する事故です。

 

●交通事故で多いケガ

交通事故では強い衝撃が加わることが多く、次のようなケガが起こる可能性があります。

・むちうち

衝突や追突の衝撃によって首が激しくしなることで、首まわりの筋肉や血管、神経などが傷つくケガです。

・骨折

とくに、交通事故では肋骨や骨盤などをぶつけて、骨折してしまう場合があります。
見た目ではわかりにくいですが、激しい痛みが生じることが多いです。

・頭部外傷

交通事故では、頭を打ちつけてしまうことも少なくありません。
小さなタンコブができる程度で済むこともあれば、頭蓋骨内で出血が起きているものもあります。
頭を打ったときは、念のため医療機関で確認してもらいましょう。

事故後の身体は、目にはみえないダメージを負っている可能性があります。

 

●事故直後の身体について

命に関わるような重大な危険が迫ったとき、私たちは危険を回避するために身体活動を高めるという本能があります。
いわゆる「火事場の馬鹿力」と呼ばれる状態です。
これは、アドレナリンというホルモンによって、身体が興奮しているために起こります。

アドレナリンには、心拍数を増加させたり、血圧を上昇させたりするはたらきがあり、一時的に痛みを感じにくくする作用もあります。
そのため、事故後は大きなケガをしていても痛みを自覚できないケースが多いです。

 

●適切な処置を行わないリスク

事故後はアドレナリンのはたらきで、痛みを感じにくくなっています。
思っている以上に深刻なダメージを受けている可能性もあるため、痛みの有無や、目立った外傷の有無だけで判断しないようにしましょう。
自覚症状がない場合でも、早めに医療機関で検査してもらうことが大切です。

早期に適切な対処を行うことで、後遺症のリスクを減らせます。
また、医療機関に相談して事故の記録を残しておくことで、ケガと事故との因果関係が証明しやすくなり、自賠責保険の請求がよりスムーズになります。

接骨院の施術にも、自賠責保険が適用できるケースがあります。

 

●自賠責保険の概要

自賠責保険（正式名称：自動車損害賠償責任保険）とは、交通事故の被害者を救済するために設けられた制度です。
法律によって加入が義務づけられている強制保険で、対人事故のみを補償しています。

・傷害による損害
・後遺障害による損害
・死亡による損害

に対し、それぞれ補償内容が決まっています。

 

●自賠責保険が適用されるケース

交通事故の被害者の方は、医療機関だけでなく、接骨院の施術でも自賠責保険が適用できます。

・追突事故に遭い、むちうちを発症した
・事故後に不眠に悩まされている
・事故による骨折や捻挫を早期回復させたい

などで施術が必要な場合は、自賠責保険が適用できる可能性があります。

 

●自賠責保険が適用できないケース

自賠責保険は、交通事故の被害者のために最低限の補償を行う制度です。
したがって、加害者のケガや単独事故でのケガ、物損などは対象外です。
また、100%被害者の責任で発生した無責事故に関しても、自賠責保険が適用できない可能性があります。

無責事故の例は、次のとおりです。

・被害者の車がセンターラインをはみ出したことで事故が起きた
・被害者の車が赤信号を無視したことで事故が起きた

 

●自賠責保険の請求方法

自賠責保険は、被害者が相手の保険会社に直接請求することも可能です。
保険会社へ自賠責保険の請求書類を提出しましょう。
必要な書類の詳細は、保険会社にお問い合わせください。
傷害に関する請求の期限は、事故が発生してから3年以内です。

任意保険とは、自賠責保険ではカバーできない部分を補償する制度です。

 

●任意保険の概要

任意保険とは、自賠責保険では補償されない部分を補償する保険です。
自賠責保険は最低限の補償しか用意されていないため、任意保険にも加入することが推奨されています。

 

●任意保険の種類

任意保険は、好みにあわせて内容を選択できることが特徴です。
次のような種類があります。

・対人賠償

被害者のケガを賠償する保険です。
自賠責保険にもありますが、自賠責保険は被害者1名につき120万円という限度額が設定されています。

120万円を超えた金額は、加害者自身が負担することになります。
任意保険の対人賠償は無制限が基本で、自賠責保険の対人賠償をさらに手厚くカバーします。

・対物賠償

被害者の車や壁、ガードレール、電柱など、物に対する損害を補償する制度です。
自賠責保険では補償されないため、対物賠償の任意保険に入っておくと安心です。

・車両保険

自分の車を修理するための保険です。
相手方が自動車保険に加入しているなら、相手の対物賠償から保険金が出ます。
しかし、事故の過失割合によっては、十分な保険金が支払われないことも少なくありません。
また、単独事故や自然災害による被害などに関して補償を受けたい場合も、自身で車両保険に加入しておく必要があります。